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英語の答えに「型」をつくる方法(プレゼンのように話そう)

誰かにこう聞かれたとします。"So, do you like your job?"(で、仕事は気に入ってる?)

簡単な質問です。答えも分かっているし、単語も知っている。なのに、たいていどちらかになりませんか。"Yeah, it's okay" と言ったきり、気まずい沈黙が流れる。あるいは話し始めたら止まらなくなって、話があちこちに飛び、最後には自分でも何が言いたかったのか分からなくなる。

心当たり、ありますよね。これは語彙の問題ではありません。「型」の問題です。言葉はちゃんとそろっています。ただ、それを並べる骨組みがないだけなんです。

解決のヒントは、ちょっと意外なところにあります。プレゼンです。人前で話したことがある人なら分かると思いますが、ぶっつけ本番で「いい言葉が出てきますように」と祈るわけにはいきませんよね。言いたいこと、それがなぜ大事か、具体例を一つ、そしてどう締めくくるか。それを頭に入れてから臨むはずです。実はこの小さな習慣、普段の会話でも驚くほど効きます。単語をあと100個覚えるより、ずっと話し方が変わりますよ。

一つの答えを、スライド1枚だと思う

答えを一つひとつ、スライド1枚だと想像してみてください。長くなくていいんです。はっきりした考えが一つあって、相手に伝わるだけの中身が添えてあれば十分です。

この切り替えだけで、二つの悩みがまとめて解決します。タイトルしかないスライドは作りかけに見えるので、一言で終わる答えをしなくなる。考えを10個も詰め込んだスライドはごちゃごちゃなので、だらだら話さなくなる。ただ質問に答えるのではなく、ちょっとした考えを最初から最後まで、相手を案内しながら話せるようになるんです。

ちなみに、堅苦しく話そうとか、賢そうに見せようという話ではありません。日常会話でいい答えというのは、たいてい飾らないシンプルな英語で、それでいて話の行き先がはっきりしているものです。

PREP法:結論、理由、具体例、結論

プレゼンの上手な人から盗める、いちばん簡単な型が PREP です。

  1. Point(結論):まず答えをズバリ言う。
  2. Reason(理由):なぜそう思うのかを言う。
  3. Example(具体例):実際にあった、具体的なことを一つ。
  4. Point(結論):少し言葉を変えて、もう一度答えに戻る。

やってみましょう。"Do you like cooking?"(料理は好き?)

PREPなし:"Yes, I like cooking because it's relaxing."

PREPあり:"Oh, yeah, I love it. (point) After a long day, it's kind of the only time my brain switches off. I'm just chopping stuff and tasting things, not thinking about work. (reason) Like last Sunday, I spent two hours making my grandma's soup, and honestly? Best part of my weekend. (example) So yeah, for me it's not really a chore. It's how I unwind. (point)"

言っている中身は同じ。英語のレベルも同じ。短い文を4つか5つ並べただけなのに、リラックスして自信がありそうに聞こえるし、話についていきやすい。しかも相手が拾える話題がたっぷりあります。スープのこと、おばあちゃんのこと、仕事の忙しさのこと。どこから話をふくらませてもいいんです。

具体例は、多くの学習者が飛ばしてしまう部分です。でも、話にその人らしさが出るのはまさにここ。"it's relaxing" なら誰でも言えます。でも "two hours making my grandma's soup"(おばあちゃんのスープを2時間かけて作った)は、あなたにしか言えません。

始めたばかりなら、ミニ版でOK

4ステップは今はちょっと多いな、と感じても大丈夫。2つだけでいいんです。答え + because、または 答え + for example。

"I like cooking because it helps me relax." "Not really, I don't watch much TV. Like, last week I watched one movie." ほら、これだけでもう立派に型のある答えです。"yes" や "no" だけで終わるより、会話ではずっと役に立ちます。

これが自然に口から出るようになったら3つ目、それから4つ目を足していきましょう。英語が「十分うまくなる」まで待つ必要はありません。この型は、あなたの英語と一緒に育っていきます。

相手がついてきやすくなる、ちょっとしたフレーズ

プレゼンの上手な人は、聞き手が今どこにいるか迷わないように、ちょっとした道しるべを置いていきます。おしゃべりでも同じです。「じゃあ、理由はね」とか「というわけで、これが私の答え」と相手に伝えるわけです。凝ったフレーズはいりません。自然なものがいくつかあれば十分です。

こんなときは…使ってみよう
自分の考えをまず言う"Honestly, …" · "For me, …" · "I'd say …"
理由を言う"Mostly because …" · "The thing is, …"
例を足す"Like, last week …" · "The other day …" · "For example, …"
反対の見方にも触れる"That said, …" · "But then again, …"
話をまとめる"So yeah, …" · "So basically, …" · "That's why …"

それぞれの行から、自分らしいと思えるものを2つか3つ選んで、考えなくても口から出てくるまで使い続けましょう。暗記したのに一度も口にしない50個より、実際に使う10個のほうがずっと頼りになります。

あえてゆっくり、あえて間を取る

早口だから流暢、というわけではありません。緊張すると、言いたいことが頭から消えないうちにと焦って、つい早口になってしまう人は多いもの。でもそうすると聞き取りにくくなるし、大事な言葉が埋もれてしまいます。

話し上手な人は、その逆をやっています。大事なポイントの直前で間を取り、言ったあとにもう一度間を取って、相手が受け止める時間をつくるんです。普段の会話でも、結論と具体例のあいだや、最後の一言の前にちょっと間を置くと、落ち着いて余裕があるように聞こえます。迷っているようには聞こえません。

自分で取る間と、詰まってしまう間は別物です。自分で取る間は、考えと考えのあいだに入ります。詰まってしまう間は、文の途中で単語を探しているときに入ります。型を練習すればするほど、間が自然といい位置に収まるようになります。

練習のしかた(頭の中ではなく、声に出して)

読むだけでは身につきません。身につくのは、実際に話したときです。特に効く方法を紹介します。

適当なテーマでミニトーク。 身近なものを選びましょう。好きな季節、やめたい習慣、いつか住んでみたい街。準備なしで1分くらい話してみます。PREPを地図代わりにして。最初はぎこちなく感じるはずです。でも2週間ほど続けると、考えなくても自然とこの型で話を組み立てるようになります。

自分の声を録音して聞き返す。 はい、恥ずかしいですよね。でも、やりましょう。スマホで十分です。再生しながら、3つ自分に聞いてみてください。最初の一文で結論を言えた? 具体例を一つ入れた? ちゃんと最後まで言い切った? それとも尻すぼみで終わった? 数日もすれば恥ずかしさは薄れて、これ以上ないほど手っ取り早いフィードバックになります。

話し方が好きな人をまねる。 聞いていて「この人の話し方、好きだな」と思える人の短いトークやインタビュー、動画を見つけて、1分ほどシャドーイングしてみましょう。どう話し始めるか、どこで間を取るか、ポイントを言い終えるときに声がどう下がるか。まずはそのまままねして、自分のものにするのはそのあとで。

気をつけたい2つの落とし穴

毎回同じ、気の利いた切り出しを使う。 "Hmm, good question" とさっと言うのはごく普通のことです。ネイティブもしょっちゅう言っています。問題は、答える前に毎回同じ決めゼリフを唱えること。相手はすぐに気づきますし、自信があるというより、練習してきたセリフっぽく聞こえてしまいます。PREPは毎回新しい言葉で埋める型であって、台本ではありません。

難しい単語を無理に詰め込む。 珍しい単語だらけでこんがらがった答えより、シンプルな英語ではっきり言った答えのほうが、ずっといい印象になります。言いよどんでしまう単語なら、簡単なものに替えてそのまま話し続けましょう。相手が覚えているのはあなたの言いたかったことで、いちばん長い単語ではありません。

流暢さ全体の中での位置づけ

答えに型を持たせるのは、流暢さというパズルのピースの一つです。まだ一文ずつ母語で組み立ててから話しているなら、まずは英語で考えることから始めましょう。ほかのピースは流暢さを本当に作っているもので紹介しています。試験勉強中の人は、この「意見、理由、具体例」の流れこそ、IELTS Speaking Part 3 で試験官が聞きたがっているものだと覚えておいてください。

PREPを自然に出せるようにする一番の近道は、本物の会話で使うこと。相手が実際にあなたの答えを待っている場面です。Lingaira では、AIのスピーキングパートナーが自由に答えられる質問を投げかけ、あなたの話にさらに質問を重ねてくれるので、返事をするたびに練習になります。詰まって黙ってしまっても、また話し出せるようにちょっとしたヒントを出してくれます。会話のあとには、流暢さ・文法・語彙についてのフィードバックも受け取れます。


人前で話すのが得意でなくても、得意な人のように話すことはできます。必要なのは、シンプルな型を一つと、相手を導くフレーズをいくつか、そして型が勝手に出てくるくらいの練習だけ。次に誰かに何か聞かれたら、さっそく試してみてください。結論を言う、理由を言う、具体例を一つ挙げる、そして締めくくる。